レナンドカフ / ハングマンツーディー
デスメタルやシューゲイザーの拠り所!
BOSS HM-2は1983年に発売されたハイゲインディストーションペダルです。
マーシャルサウンドを作ることが出来るコンパクトペダルとして発売されていましたが、
後継機種のMT-2が発売され、1991年にその生産が完了しました。
BOSS HM-2は、当時のBOSSが誇るハイゲインディストーションとして人気を博していたものの、
そのゴリゴリとした"buzz-saw"なサウンドが多くのプレイヤーにとって好評とは言えず、
HM-2からMT-2へのモデルチェンジは、一般的に歓迎を持って迎えられ、HM-2を惜しむ声はそれほど多くはありませんでした。
しかし、多数ではありませんが、BOSS HM-2を信奉するプレイヤーもいます。
そういったプレイヤーは、HM-2の生産完了を悲しみ、残念に思いました。
そして、HM-2の生産が完了したにもかかわらず、彼らのペダルボードではHM-2がいつまでも残ることになりました。
EntombedやDismemberといった、スウェディッシュ・デス・メタルのレジェンドは、
長年このHM-2を"常時ON"にして使用していることは有名ですし、
My Bloody ValentineやThe Jesus and Mary Chainといったシューゲイザーのバンドでは、
その音の壁のようなギターノイズカオスサウンドを作るためにHM-2が一役買っていることもよく知られています。
90年代には、歴史的なグランジウェーブが起こり、多くのバンドの足元にもHM-2が置かれていました。
Wren and Cuff Hangman 2Dは、そんな伝説的なHM-2 "Heavy Metal"ペダルを細かなところまで丁寧に再現させたペダルです!
このペダルの回路は、そこらのデジタルディレイが逃げ出すほど複雑です。
とはいえ、オリジナルのBOSS HM-2は特にプレミアムなペダルではなく、中古市場を探せばだれでもすぐに手に入れることができます。
なぜ、HM-2を再現する必要があるのか、とお考えになるかもしれません。
それは、何よりもWren and Cuffとして、"やりたかったから"です。
Wren and Cuffの制作する、他のプロダクツと同様、このペダルのサウンドを再現することは非常に大変で困難なことでした。
ただ回路図を見つければそれで終わりではありません。
Wren and Cuffではいつものことですが、ひたすらに耳を使ってのチューニングが続く日々でした。
そして、ワイヤリングや組み込みを全て手作業で行います。
ハンドワイヤード、ハンドローデッドです。
回路にはオリジナルの1/8wattカーボンフィルム抵抗ではなく、1/4wattのメタルフィルム抵抗を使用しました。
これにより、ノイズフロアは劇的に少なくなり、さらに明瞭でカラフルな倍音成分が得られるようになりました。
さらに、他のWren and Cuffペダルと同様、100%メカニカルのトゥルーバイパススイッチングを採用し、
大きなオールメタル製アルファポットを筐体にダイレクトマウントする贅沢な仕様です。
ModernとVintageの切替スイッチを追加し、メタル筐体にゴージャスなアートワークを施しました。
もしかしたら少数派かもしれませんが、オリジナルモデルを超えた価値をHangman 2Dに見出せるプレイヤーが存在することを確信しています。
※以下の文章は、Hangman 2DとHM-2の両方に当てはまります。
このペダルは、非常に強くコンプレッションされ、タイトでスムーズなディストーションを作り出します。
全てのピックから弦へのアタックを引き出す、"buzz-saw"モンスターです。
多くの"ヘヴィメタル"を謳うペダルとは違い、Hangman 2DとHM-2は、ミッドレンジを強く削ってしまうことがありません。
この不可思議なトーン設定は、Hangman 2DのColor Mixセクションで調整できます。
Lowノブは、一般的な低域のコントロールです。
Highノブはトーンのシェイプを調整できますが、このコントロールはすこし変わり者です。
中域~高域が互いに干渉するため、Highノブはアッパーミッド~トレブルをまとめてコントロールします。
それは素晴らしい音を作りますが、少しトリッキーです。
しかし、それもチャームポイントです。
このペダルは、どんなセッティングでもONにすれば素晴らしい音が出るというペダルではなく、
ペダルそのものの歪みとアンプの特性を探りながらスイートスポットを探し当てる、そんなペダルです。
デスメタルプレイヤーは、アンプのフロントエンドをいじくり、
次にEQペダルに手を出すことが多いようです。しかし、
多くのペダルはアンプをプッシュしてナチュラルな歪みを作ってしまいます。
Hangman 2DやHM-2のHighノブを使えば、"buzz-saw"なグラインドサウンドに最適な帯域のジャッキアップができます。
要するに、アンプに合わせて微調整を繰り返すことで、スイートスポットが見つかる、ということです。
HM-2のサウンドを動画サイトなどで検索して見てみると、ペダルとは思えないほど太く、
残忍なサウンドがペダルで作れることが分かります。
また、誰もが顔をしかめるような"bee trapped in a jar"なサウンドも作れます。
では、なぜそんな音作りに時間がかかって使いにくいようなペダルを今更作りなおしたのか。
それは、ペダルの中に埋もれた金塊を掘り出すように音を作っていくこと自体が大好きだからです。
他のブランドは誰もHM-2を再現しようとは思わないでしょう。
しかし、Hangman 2Dの「D」に込めた"Deluxe"の意味は、単に機能的なことだけでなく、
ペダルを使う上での楽しみの質を表しているのです。
Hangman 2DにはVintage/Modern切替スイッチがあります。
これはクリッピングダイオードの切替で、オリジナルストックモデルと同じクリッピングに加え、
よりコンプレッションが低く、オーバードライブmeetsディストーション・サウンドが得られ、ブーストにも最適なモードを追加しました。
勇気ある者はHangman 2Dを手に取り、その魅力と儚さを味わってください。
ボトムライン・・・
このペダルは、最高にロックです!
お問い合わせフリーダイヤル:0120-37-9630