About Grez Guitars


サウンドコンサルタントとしても活躍してきたビルダー

ビルダーであるBarry Grzebikはデジタル・オーディオの分野で一国を築いているブランドでもある「Apogee」でプロダクト・デザイナーとして長年、世界中のライブサウンド業界でキャリアを築いてきた人物です。
その後サウンド・コンサルタントとしてのキャリアを続け、サウンドに精通してきた彼が新たなキャリアとして選んだのが楽器製作でした。

楽器製作に関してキャリアは長くありませんが、サウンドに関してのこれまでのキャリアは楽器製作に大いに役立っており、素材や製作手法による音響変化を理解し楽器製作に応用しています。

シンプルでレトロなスタイルの楽器は近年注目を集めていますが、音響共鳴を最大限に考慮してつくられるGrez Guitarsは「高品質で美しい楽器」を目指しながらも、美術館に所蔵されるされることではなくステージで使われる「ミュージシャンズ・ギア」としてのツールを目標としています。

ショートスケールとホロウ構造ながらクリアでウォームなサウンド!

コンパクトなボディ形状と中空構造(セミ・ホロウ)とすることで非常に軽量に仕上がったベースです。

ボディのバック材にはホンジュラス・マホガニーを1ピースで使用し削り出しています。
トップ材には古木のレッドウッドを採用しています。製作しているカリフォルニア北部では昔から日常的にレッドウッドを使用していたことから土地に根付いた木材ですが楽器製作に適しているレッドウッドを探すことは簡単ではありません。
一般的にマホガニー材と組み合わせるメイプルと比べて低音と高音域が豊かになり、中音域のピークを抑え込まれたサウンドは楽器は非常に適した組み合わせといえるでしょう。
ネックもボディと同様にホンジュラス・マホガニーをセットネック構造にてジョイントしています。
指板にはクラシック楽器でも一般的に使用されているエボニー材を指板材としています。
ナット幅は約41mmとなり幅の広さはありますが、ネックグリップを薄くすることでネックの太さを感じず数値以上に細身に感じます。

ピックアップにはアメリカ製Curtis Novakのリップスティック・ピックアップを2基マウントしています。
リップスティックピックアップ自体は中音域にピークがあり低音域の希薄さが特徴のピックアップですが、メリットとして透き通るようなクリアなトーンに魅力のあるピックアップです。
セミホロウ構造の楽器の持つ低音域の豊かさに低音の強いピックアップを組み合わせることでローエンドのふくらみが目立つことが多く扱いにくいサウンドになることが多いですが、リップスティック・ピックアップを用いることで木材とピックアップでお互いを補完する関係性となっています。

ハードウェアに関して、ペグは日本製として世界中の楽器パーツのスタンダードとなっているゴトー製、ブリッジにはテールピースにはToneProsのAVR2、サドルにはBabiczを採用しています。
弦振動の支点となるサドルの底面部分を一般的なブリッジサドルでは弦高調整用スクリューにより「点」で接することが一般的ですが、独自構造によりサドル底面が「面」で接することで弦振動をロスすることなくボディに伝えることが出来ます。

塗装は楽器の鳴りを損ねることなく、弾きこむことで生まれる経年変化による豊かな鳴りの成長を感じることのできるニトロ・フィニッシュを採用しています。